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子どもの貧困
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この本について
阿部彩
P16
- 子どもの貧困はたんなる物質上の貧困ではなく、「自尊心」や「幸福感」といった意識にまで統計的な違いをもたらしている。
福祉政策の逆機能
p.96
- OECD(2000年)の先進各国を比べると、再配分後の所得格差が逆に増えているのは日本だけである。(グラフを読み取ると、ほとんど変わっていない国がある。ラテン諸国のイタリア、ポルトガルだ)この図にはスペインが入っておらず、フランスは子供の貧困をなくす政策が始まったので、状況は改善している。
東京大学の大沢教授はこれを「逆機能」とよんだ。福祉政策が逆に子どもを追いつめているのである。
子どもにやさしくない社会
p184
- 筆者は2003年と2008年に「合意基準アプローチ」を用いて、一般社会が日本の社会において何を必需品と考えるかの調査を行った。20代から80代までの一般市民1800人が参加した。
- イギリスやオーストラリアの調査と比較すると日本人は子どもにとっての必需品(例えばおもちゃ、暖かいコートなどなど)について厳しい判断をする場合が多かった。
- 特に情操や生活の質を高めるもの(ある意味贅沢品ともいえる)のスコアが低いという特徴がある。
著者はこれを「中流神話」や「がんばればなんとかなるという意識」に原因があるのかもしれないと分析しているが、確固としたメカニズムはわからない。