複雑系経済学

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複雑系経済学とは

1997年、塩沢由典著 均衡ではなく、動的な状況を扱う事ができる。

これまでの経済学

基本:需要と供給は均衡する(ワルラス) パリの証券取引所を見て考えた。

  • マルクス経済学 → 共産主義の崩壊で権威が落ちる。
  • ケインズ経済学 → インフレと景気後退が同時に起きたことを説明できなかった。
  • マネタリズム → 経済政策には貨幣数量の調整。
  • サプライサイド経済学 → 税金を下げれば税収は上がる(ラッファー曲線)

ただし、均衡が成立するためには、企業が利益を最大化し、家計が効用を最大化していることを前提にしなければならない→全知全能でもないのに、そんなものどうやって計算するのか? ソビエトの計画経済では「均衡点」を計算できなかった。また、重点経済になると重点項目に漏れた経済が犠牲にされた。変化を起こすことは可能だが、起こった変化に対応できない。

複雑系の理論

砂時計の砂が崩れる瞬間の事を自己組織臨界と呼ぶ。自己組織臨界が起こるタイミングはベキ乗分布する。(小さな崩壊はなんども起こるが、大きな崩壊はときどきしか起こらない) 自然現象の多くがフラクタルを持っていて、これは微分積分計算はできない。 計算によって結果は予想できない。現象を観察し、そのフィードバックを得ながら調整を行っているのではないか。

では一体、何が複雑なのか。

  • 経済そのものの体系が複雑。
  • 人間の複雑さ。(視野、合理性、働きかけにそれぞれ限界がある)
  • 認識における複雑さ。起こっている状況を正しく判断できない。

複雑系経済学ではモデル化を行わない。

複雑系経済学

  • 均衡は一定の範囲内で揺らいでいる。
  • それぞれのシステムは切り離され「遊び」を通じて調整される。切り離すものは「在庫」と「貨幣」である。
  • 普及率が問題になる商品(デファクトスタンダードが重要な商品)を投入するためには、導入後の努力が後に大きな違いとなってあらわれる。
  • いったん普及が完了すると、より便利なものが出ても、そこには人が流れない。これをロックインと呼ぶ。

その他の視点

  • 明治政府が制度を輸入したのは制度に知識としての側面があるから。

感想

系全体が単純につながると、最適化が起こり遊びがなくなる。最適化は均衡状態へと突入すると、系が全体を支えられなくなり収縮が始まる。 この均衡状態を調整するのがイノベーションだが、系が緊密につながりすぎているので、イノベーションの速度を均衡速度が上回るのではないか。