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着想の素
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ひらめきのもと
ここではロバート・サットンのなぜ、この人は次々と「いいアイデア」が出せるのかから一部をご紹介する。
Prepared Mind
スタンフォード大学の教授でIDEOのフェローでもあるロバート・サットンは準備段階の大切さについて語っている。サットンによれば、ひらめきを得るためにはいくつかの必要な要素がある。 無駄の中にこそ、ひらめきの種が眠っているといえそうだ。
- 失敗を繰り返す人。一つのツールを使いこなすのに「まごまごとする」人。準備に時間がかかるほど、後で成果を得やすい。また、一つの領域を重点的に学ぶのではなく領域横断的に幅広く学ぶ必要がある。
- 学習のやり方や研究の進め方を理解しておく必要がある。このためメンタリングは重要。最初のうちは短期的な目標を継続的に与える必要がある。これによって準備された心が生まれる。
結びつきを求めて
いつもと違った道を歩いてみる。思考を変える方法にはいくつかある。
- いつものものを全く新しい視点で見つめ直してみる。(これをVu Jadeとも)
- いつもとは正反対のことをやってみる。
- 研究を離れて遊んでみる。
- 既にある組み合わせ、利用法、場所などを変えてみる。
- ウマの合わない人と、とことん話し合う。
創造的な対立
サットンはこのほかにも「役に立たないと思われる人を短期的にでもいいから雇ってみろ」と薦めている。これも無駄の一つだろう。特に次のような人は有望だという。
- 自分を客観的に見ない人
- 同僚や上司との付き合いを避ける人
- 自尊心の強い人
サットンは直接結びつけを行っていないが、チクセントミハイは、フロー状態において人はどう見られるかを気にしたりはしないと観察している。自我意識が出てくるのはむしろうまく行っていないときの方だ。チクセントミハイは、マイクロフローの研究の中で「社交的な活動」を気晴らしとして選ぶ人たちは、自分を否定的に表現するということを見つけた。意外なことに2と3はつながっているのだ。しかしながら、同僚や上司と付き合わない人はケリーがイノベーションの達人でいうT型人間(花粉を媒介する人)にはなりにくいかもしれない。異分子を導入することで、近くに媒介される花粉が運ばれてくるのだ。
一方、すべての対立がよい対立というわけではない。
- 良い対立:アイディアを議論する。
- 悪い対立:感情的で、対人関係に基づいている。
最後には一人になる
アイディアがでかかったら隔離することもサットンのお薦めだ。一人になって考えてみろというわけだ。仲間同士は居心地がよい。しかし、実際には創造的になるには一人になったり対立してみたりしなければならない。居心地のよい環境が必ずしも創造的な環境であるとはいえないのかもしれない。